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日本にも、例外的に寄付(の一部)が税額控除される場合がある。
政治団体への寄付だ。 私は、いかなる理由で正当化されているのかを知らないが、理由は薄弱であると思う。
政治的なごり押しによって導入されたとしか思えない制度だ。 自治体に対する財政援助が他のすべてに優先する緊急のものなら、寄付金を税額控除する余地もあるだろう。
自治体より財政援助の緊急度が高い対象は山ほどある。 それらには所得控除により自己犠牲を要求し、「ふるさと納税」の場合に要求しないのはなぜなのか?まったく理解できぬことだ。
「ふるさと納税」で税額控除方式が認められれば、正当化できない寄付税制がもう1つ増えることになる。 寄付税制を徐々に侵食してゆくだろう(事実、NPOに対する寄付も税額控除せよという要求がすでに登場している)。
さらに、寄付行為そのものに対しても、無視しえぬ悪影響が及ぶだろう。 すでに述べたように、自己犠牲があるからこそ、寄付は崇高な行為と見なされるのである。
犠牲を伴わぬ行為を「寄付」と呼ぶことにすれば、本来の寄付がこれまで獲得していた社会的な評価は希釈されてしまうだろう。 そうなれば、本来の寄付を行なおうとする人は減少するだろう。
言葉の危機であるだけでなく、寄付の危機である。 もっとも、日本では、寄付に関するモラルはすでに崩壊しているのかもしれない。
法人の行なう寄付が中心で、個人が行なう寄付はそれほど多くないことに表れている。 寄付とは、本来は個人が行なうものだ。
なぜなら、個人が所得の一部を寄付したところで、他人に負担がかかることはないからである。 個人が自由に使える資金から一定額が差し引かれるわけだから、個人が自由に使える資金はそれだけ減る。
個人が寄付する場合、その負担者は明確だ。 B氏も、個人が寄付をしているのであって、MS社やMH社が寄付しているわけではない。
したがって、寄付税制は、本来は所得税だけに存在すべきものである。 ところが、日本では法人税にも寄付税制があり、しかも限度額などで、所得税より寛容な制度となっている。
株式会社が寄付をする場合、役員の報酬がそれだけ減るわけではない。 寄付の負担をするのは、株主(あるいは製品購入者や従業員)である。
したがって、企業の寄付は、本来は株主からの訴訟の対象となりうるものだ。 日本の企業で問題にされないのは、株主意識が弱く、企業が役員の所有物だと考えられているためだろう。
企業の役員は、可処分所得を減らすことなく、寄付による社会的尊敬を得ることができる。
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